間知ブロック積の積み方

埼玉県所沢市を中心に間知ブロック積みをメインとしている会社、有限会社石州石工興業です。


最初に

ブログ、「間知ブロック積とは」でも最後の方に記載がある【勾配】について、補足と言うか・・・訳が分からないと怒られまして。。。


つまりは、「道具について」で出てきたスラント(勾配定規)の外側の【3】にダイヤル回して水平器を水平にすると出来上がる角度が3分です。

はい。簡単になりました。。。


3分(さんぶ)


数字を4に合わせると・・・

4分(よんぶ)


数字を5に合わせると・・・

5分(ごぶ)

養生テープでコンパネに張ってるのでちょっと見栄えが悪いですね。

すみません。m(__)m

因みに上記のようなスラント以外にも下記のようなスラントもあります。


5分(ごぶ)




当社ではダイヤル回す黄色い方のスラントを使ってます。

本体色も何色かあり、角度の面に鉄が付いてたり、磁石が付いてる物もあります。

なんだかんだ言って皆Tazimaなんですけどね。


本題に入りたいと思います

間知ブロックの積み方とそれに関したことを書いていきます

間知ブロックの積み方には、種類あります



石積みと石張り

石積みは勾配が1割未満のもの。

石張りは勾配が1割以上の緩い勾配のもの

(資料によって勾配が多少の違い和あります)

1割以上の緩い勾配でも石を置くのではなく、石がかみ合わさって動かないように張っていきます。


国土交通省の資料より抜粋



間知ブロックは、もたれ式擁壁です。

簡単に言えば、ブロックの後ろの地山に構造物をもたれかけさせています。構造物の自重と地山の土圧でバランスをとっています。



次に谷積みと布積み


谷積みは、下のブロックが作った谷に上のブロックをはめ込んで積んでいきます。

前からみると、ブロックが斜めになっています。

斜めにして積んでいくので、一番下には土台が必要になります。

そこで、前の記事にも書きましたが根石と言う、五角形のブロックを使って土台を作り積んでいきます。



ブロックがお互いを押し合う力(『せりもち』効果)で安定度が増します。

布積みよりも安定性があります

間知ブロック積みの主流です。



布積みは、ブロックを横にして積んでいきます。

前からみると横目地がそろっています。

縦目地はズレています

目地を通して積むことにより、重さを分散させています。

共栄建材工業株式会社様カタログより引用

https://www.kyoei-kenzai.com/


最近は、布積みの現場は年1現場あるかないかという様な感じです。



次に空積みと練積みです。


空積みとは、コンクリートやモルタルを使わずにブロックを積み上げていく工法

コンクリートやモルタルを使わないので容易に施工が出来ますが、しっかりと積んでいないと崩落の危険があるので、技術は必要です。

勾配が1割以上の緩い石貼りでは、施工を認められています


練積みとは、コンクリートやモルタルなどを使いブロックを固定しながら積み上げていく工法

コンクリートやモルタルを使って施工するので、空積みよりも安定性が高く大規模擁壁に適していて、高い構造物も作れます。

ただし、雨水の抜け道がなく内側に溜まってしまい土圧が高くなってしまうので、水抜きパイプなどの排水措置が必要です。


コンクリートは、ブロックの控え部分(胴込めコンクリート)だけ入れる時と、それ以上の広さ(裏込めコンクリート)に入れる時があります。

裏込めコンクリートは、基礎から天端まで同一の幅の時もありますが、幅が変わる時もあります。



赤い所はコンクリートです。裏込め材は砕石などを用いります。


下の図は、標準断面図の一例です。


これは、切土3分勾配、直高3mまでの標準断面図です。

都道府県、市町村によって違うところはありますが、

盛り土なのか、切土なのかや、間知ブロックの高さなどで、裏込めの幅は変化します。

そのうち、じっくりと・・・


ブロックをしっかりとし、綺麗なものにするのは、丁張をしっかりと建て、それに合わせて

石屋さんの経験、技量で微調整や修正をしていきます。

丁張りをしっかり建てるには、最初に出てきたスラントを使います

最終的には、人が一番重要なんです


今回はここまでにします・・(;^_^A



write by N・D