間知ブロック積工事の流れ

こんにちは。

埼玉県所沢市の有限会社石州石工興業です。



今回は間知ブロック積工事について最初から順序を追って説明したいと思います。

流石に設計は出来ないので、施工の話です。。

まずは、



土工事


間知ブロックは土を削って、その法面(のりめん)に施工する物なので、土を削る(掘削)します。

設計図面をもとに地面を掘り下げたり、法面を削ったりしていきます。

掘削の際、高さや位置・水平・法面の勾配などの基準となる丁張を建てて行う事もあれば、境界からの距離・ポイントからの下がりを測りながら行うこともあります。

掘削して出た土を積み込み、運搬もおこないます。

状況写真を使いながら説明していきます。


工事個所に着手する前に、重機の入る走路盤や搬入路は、草刈りをして整地をし、鉄板を敷いて準備をします。

工事着手前です。この時は、丁張は建てていません。


法面の成型。勾配定規を使用して確認をしています。

床掘床付け・根切り。地面を掘り下げていきます。高さの確認は、レーザーレベルを使用して確認しています。


砕石投入・敷均し・転圧。砕石を入れて締め方固めて基礎を建てる土台を作ります。




・基礎工事

基礎工事は、地面と構造物のつなぎ部分の基礎を作ります。

基礎は、構造物の重さや地震などで、構造物の1部分だけ沈んで傾くのを防ぐなどの役割をします。

基礎は、製品を使用する時と型枠を建てて生コンで成型する時があります。

また、建てる前に捨てコンを打つこともあります。

今回は、型枠を建てて基礎を作っています。

型枠を建てる前に、高さ・通りを見る為に門型の丁張りを建てます。


打設の際、枠が広がったりしないように杭とバリで、しっかりと建てていきます。10mおき・既設との取り付け部には目地材を入れて縁を切ります

打設の際、バイブレーターを使用し振動を与えて水分を浮かし、空気を抜いて密度を上げてコンクリートの強度を上げます。

養生をした後、型枠を脱型し、ブロックを積むために丁張を建てます。

設計通りの基礎だと、ブロックが勾配と合わないので、合わせる為に調整コンクリートを基礎の上に打ちます。






・間知ブロック積

丁張に1段毎の上端の高さを出すため段割をします。

ブロックには、形が何種類かあります。


A型はメインで使うブロック、B型は根石、天端で使うブロック

C型、D型、E型は、隅石。DとEは、根石と天端で使います。


一番下には根石のB・D・Fのブロックを使用し、ブロックの土台を作っていきます。

基礎にも入れたように、同じ間隔で目地材を入れます。

設計に従って裏に枠を建て、土又は砕石を入れます

そして、胴込め裏込めコンクリートを入れていきます。


数段上がると、水抜きパイプを入れていきます。

その下の段で、水を下に浸透させずパイプから排出させるように、止水コンクリートを打ちます。

水抜きパイプの穴は、パイプの太さに似合うようにブロックを割ります。


設計の距離に収まらない時は、ブロックを切断して積んでいきます。






・天端切断取り付け

設計で天端をブロックに合わせておさまる場合もあるのですが、ほとんどの場合がおさまる事がありません。その場合は、天端に糸を張り合わせてカットラインを書いて、切断をし合わせて積みます。一段下のブロックが出てしまう事もあるので、それも切断します。

普通のブロックを使用する事もありますが、切断して使う大きさによっては、面板を使用します。面板は後ろに足がついていなく板状になっているものです。

手前に置いてあるものが、切断した面板です。

切断したものを置き、自立せずに倒れてしますので生コンを使って止めていきます。




・天端コンクリート

ブロック積の丁張を使って横丁張りをかけ、枠の高さ・通りを出して枠を建てていきます。その際も、枠がはらんだりしないようにしっかりと建込みます。

建込みが終わったら、丁張をバラシて現場によっては面木をつけたりします


天端を打設し、コテをかけるの木コテ、金ゴテを使用して均して仕上げていきます。面取りをする時もあります。

硬化した仕上がりにクラックがはいらないように、繰り返しコテをかけて仕上げます


数日、養生をして枠をばらし、ジャンカがあればつぶしていきます

ここの現場では、U字溝が入ったので枠代わりにして、枠は建てずに天端コンクリートを打ちました。


違う現場になりますが、枠を建てるとこんな感じになります。

天端コンクリート打設前の枠組み完了後になります。


こちがら打設後、脱枠した後の写真です。



・折れ点、水抜き、各所仕上げ


折れ点の所は、ブロックを切断して合わせて積み、隙間が出来た所。ブロックを入れずに生コンを盛って形作った積んだ所。水抜きパイプを入れる為に割った所。端部で切断して積んだ所、これらの場所は、モルタルを使ってブロックの形に合うように作っていきます。


積んでいるブロック同士に隙間が出来ることがあるので、その隙間を潰したり、綺麗に仕上げる現場では、目地ごてを使って目地を埋めて仕上げていきます。


左が水抜き仕上げする前、右が仕上げをした後です。

わかりにくいですが、脚立の辺りも仕上げをしてあります。


最後に、コンクリートや土でブロックの表面が汚れてしまうので、皮すきや仕上げサンダーを使用し、綺麗にして完了します。

上の写真はまだ掃除の最中なのと、すぐ後ろが家なので全景の写真がないので、この写真で最後です。

ここの現場は間知ブロック積の他に、正面のCBブロック積、U字溝の敷設、土間コンクリート打設~仕上げも請負ました。


外の現場仕事なので、天気によって色々と工程がずれたり、大変なこともありますが、早く綺麗に良いものができるように頑張っています。



write by N・D