間知ブロックは道路勾配(縦断勾配)に合わせて積める?

こんにんちは

埼玉県所沢市の有限会社石州石工興業です。



先日とある企業様から「間知ブロックは道路の縦断勾配に合わせて積めるのか?」

と言うお問い合わせがありました。


結論から言うと、可能です。


通常は基礎を階段状にして、水平を保つのですが

境界の関係で、基礎を斜めにした方が出来上がりの見栄えが良かったり、面積が広くなる場合もあります。

実際に、どのようになるか図面や写真で説明していきます。


通常の図面です。

上にも書きましたが、図のように階段状になっています。


次に、実際に斜めに施工した現場の図面です。

下に補助線で水平線を入れてあります。

ブロックが斜めになっているのが、わかると思います。

一部拡大した通常の図です。

2段目のブロックの同じ場所の角を結ぶと同じ高さになります。


斜めに積んで施工した図は、3段目の同じ場所の角に合わせて水平線を引くと段々上がっているのがわかります。


実際、どのようになっているか。

現場がどんな感じなのか、写真で見てみましょう。


坂の上から下に向かっていきます


このように、カーブしながらの坂道です。


実際に、どれくらい道路勾配があるかスラントを置いてみました。

拡大してみると

スラントの針が振れているのがわかると思います。


では、間知が道路勾配に合わせて積んでいるか見てみましょう

道路とのカネを見る為に、さしがねと水平器を

道路勾配を見る為に、水平器とスラントを置き水平をとるために水平器を持ち上げています。



道路とのカネを見る為のさしがねと、垂直を見る為に水平器を置きました。



水平器は水平を。スラントは6度当たりを指しています。

10%勾配の坂道で、1mで約10cm上がることになります。

河川工事でも、これぐらいの勾配の所はあります。


もう一度、最初に乗せた図面の説明になりますが、水平に積んでいくとブロックの同じ角同士を結ぶと水平になります。

勾配に合わせて積んでいくと、水平になりません。



同じ段数の、同じ角を結んで水平器をあてると水平ではないことがわかります。


上の写真を見ると、スラントから先の勾配が変わっています。


6度から4度に変わっています

このように道路勾配が変わる箇所は、積んでいくとどうなるか。



本来なら6度と4度の折れ点なので、高さが上がる(上に行く)とブロックとブロックの隙間(目地)が開いてくるのだが、この現場はすぐ両サイドに横断方向の折れ点がある為、目地の開きが少なく打ち消しあって、さらに横断方向の折れ角が大きいためその部分にしわ寄せが来ている。


判りにくいが少し目地が開いて行ってる。



上の図は6度勾配線とその垂直線を紫。4度勾配線とその垂直線を青で書いてあります。

見ていただければわかると思いますが、上にいくにつれて、少しづつですが広がっていきます。



右側の折れ点の所。

ここにしわ寄せが来ている。

ブロックが入らなくなり、赤く囲んだ箇所は形が変わっています。

その箇所を拡大しました。

ブロックを加工したり、塗り上げたりしていきます。

ここの箇所は、上から5段は塗り上げ、その下2段は切断加工しています。


道路勾配に合わせて積んでいくと


写真の通り、たたきの幅が同じになります。

どうしてそうなるか、図を使って説明します。

5分勾配の間知ブロック積を直線の坂道で積んでいくとします。

GLは、基礎から直高1mと設定します。


基礎を階段状にした時

図の単位はmmです。

緑のラインが基礎の上端、青のラインがGLです。

分かりやすくするために、1段の基礎長を4m、段差を05mにしました。

赤文字の1118は5分勾配の時、直高1mの斜長になります。


これを上から見てみると

こうなります。

5分勾配の時、1m上がると間知側に0.5mバックします。

なので、基礎のラインとGLのラインの幅は500mm

さらに、基礎が500mm上がると250mmバックします。

この図は極端ですが、坂が上がるにつれてたたきの部分が広がっていきます。


では、道路勾配に合わせて積むとどうか。

上から見てみると

基礎と車道との離れが一定だとして、基礎が間知側にバックしていかないので、たたきの幅は変わりません。


今回は、間知ブロックは道路勾配に合わせて積める?でしたが、他にも、色々な条件や施工方法などがあります。

長年の経験からどのように施工するのがベストか、施工可能かどうか等、施主さんや元請けさんからも時々相談されます。


色々な現場の話をまた時々、ブログに書いていこうと思います。


おまけ。。

坂の下から上に歩いて行ってる動画です。




write by N・D