こんにちは
埼玉県所沢市の石州石工興業です
最近ブログを書いてなかったのでそろそろ書かねばと思い書いています。
今回は、擁壁の種類に関して書いていきます。
まず、擁壁とは何??と言うところから
擁壁とは、高低差のある土地で側面の土が崩れるのを防ぐものです。
でも、高低差がある土地でも擁壁がない所もあります。
それは、安息角の範囲内で崩れにくいとこなのかもしれません。
安息角とは、土や砂などが安定して崩れない角度のことを言います。
盛った土の場合は、30度が限界角度です。
擁壁と塀の違いは、土を受けているかいないかです。
隣の土地と段差があるところに建っているものは、擁壁
段差がなく平面なところに建っているのが塀にまります。
そんな土砂崩れを防ぐ擁壁にもいろいろと種類があります。
今回は擁壁を説明していきます。
1重力式擁壁
擁壁自身の重さで背面にある土を抑える擁壁です。
鉄筋を使用せずにコンクリートのみで作られる事が多いです。
上が細く、下に行くにつれて広がっていく台形の断面をしています。
施工が比較的安易で、鉄筋が入っていないので錆による劣化の心配がないので寿命が長いです。
構造物が大きくなるので敷地面積が狭くなり、重量がある為に軟弱な地盤では沈下する恐れがあります。

2.もたれ式擁壁
専用ブロックを使ってコンクリートで固定しながら設置し、背面の斜面にもたれかかるような形で設置される擁壁です。
重力式擁壁の一種になります。
当社で施工している間知ブロックや平米ブロックなどです。
地山が締まっている場合や背面土が良好な場合など土圧が小さい場合に使われます。。
カーブや狭い所などでも施工が可能で、費用が比較的安いです。
斜めに設置するので、敷地面積が狭くなります。
水が溜まりやすいので、水抜きの設置も重要になります。

3.鉄筋コンクリート造擁壁(RC造擁壁)
RC造擁壁は、コンクリートの圧縮に強い性質と鉄筋の引っ張りに強い性質を組み合わせた擁壁です。
配筋をし型枠を組んで生コン打設をして作ります。

プレキャスト擁壁(PC擁壁)
工場で製品を作り、現場に運び並べていく工法です。
1m又は、2mで毎に連結していきます。

PC擁壁には、いくつか種類があります。
・L型擁壁
最も一般的で、断面がアルファベットのLの形をしています。
底盤(地面に埋まる部分)の上に土が乗るので、その土の重さを利用して擁壁を安定させます。
壁体が薄く作れるため、敷地を最大限に使え、既製品のプレキャストを並べる工法で工期短縮もはかれます。
・T型擁壁
断面がアルファベットのTの字を逆にした形をしています。
底盤が前後(土側と表側)の両方に突き出しているタイプです。
安定性が高く、高さがある時や境界に余裕がある時に使われます。
・扶壁式(ふへきしき)擁壁
高い擁壁を作る際、L型やT型の壁が土圧で折れないように控え壁で壁と底盤をつないだものです。
高さ5~10mを超える大規模な工事で使われます。
省スペースで境界ギリギリまで土地を活用でき、鉄筋を使用しているので高い強度があります。
コストが高く、コンクリートにひび割れが入ると、中の鉄筋が錆びて強度が低下(爆裂現象)する為、定期的な点検、劣化対策が必要です。

※爆裂現象・・・鉄筋コンクリート構造物で、内部の鉄筋が錆びて膨張し外側のコンクリートが押し出されて、剥離・剥落する現象です。
主な原因は、かぶり厚不足やひび割れの放置・塩害などがあり、放置すると錆びた鉄筋が細くなり強度不足になったり、鉄筋とコンクリートが一体でなくなるため耐震力が低下、崩落のリスクも出てきます。

一般的な擁壁はこんな感じです。
他にもありますので、また何かの機会に書きたいと思います。
擁壁の中でも、新設が認められていないものや、既存のものでも極めて危険とみなされているものがあります。
1空積み(いしづみ)擁壁
石やブロックを積んだだけで、コンクリートなどで固めていないもの

2 2段擁壁(二重擁壁)
古い擁壁の上に、新しく擁壁やブロックをつぎたしたもの。
※上下の擁壁がお互いに干渉しないほど離れている(一般的に下の擁壁の高さの1.5~2倍以上)場合は、独立した2つの擁壁とみなされます。
3増し積み擁壁
既存の擁壁の上部に、コンクリートブロックなどを積み増す行為。
4建築用ブロック(C種など)による高擁壁
土圧に弱いため禁止されています。(ただし、型枠状ブロックは3m以上の高擁壁にも対応可能(設計による))
一般的な擁壁を紹介しましたが
各地方にはその土地独自なものがあるので紹介したいと思います。
穴太衆の石積み
穴太衆は、石垣づくりの歴史において欠かせない石工集団です。
滋賀県大津市の坂本エリアを拠点としていた石工集団です。もともとは比叡山延暦寺の門前町である坂本の寺院などで石垣を積んでいましたが、その高い技術力が戦国時代の武将たちに認められ、全国の城郭石垣を手がけるようになりました。代表作は、安土城、竹田城などがあります。
彼らの代名詞ともいえるのが、自然の石をほとんど加工せずに積み上げる「野面積み」です。
石の形をそのまま活かし、「石の心の向くままに」積むと言われます。
石と石の間に適度な隙間があるため、雨水が抜けやすく、崩れにくいのが特徴です。
一見バラバラに見えますが、奥の方まで石がしっかり組み合わさっており、地震などの揺れを逃がす柔軟性を持っています。
比叡山延暦寺、日吉大社の門前町(滋賀県大津市坂本付近)で多く見られます、石を加工せずに積んであります。
穴太衆が手掛けた野面積みの石垣。野面積み全体を指すものではありません。
現在も技術は継承されています。

阪神間に石垣擁壁が多いわけ
六甲山の麓の地域では、石垣擁壁が多く用いられています。なぜ多いのでしょう?
阪神電鉄神戸線には御影駅があります。ここでピンとくる方もいると思います。
この地域は、六甲花崗岩「御影石」の産地なのです。
昔、この地域が宅地開発の際に大量に花崗岩が出てきました。処分には費用が掛かるためにその石を利用し積み上げて石垣を作ったそうです。御影石が容易に入手できることも一因となってるみたいです。
阪神淡路大震災後は、安全性を考えて減っていますが、まだまだ残っているそうです。

景観保全型石垣擁壁
普通の擁壁といえば、グレーで無機質なコンクリートの壁をイメージします。
丈夫なのですが、歴史ある街並みや豊かな自然の中では、少し浮いてしまうこともあります。
そこで登場するのが景観保全型です。
表面を「自然石」や「石積み風の加工」で仕上げることで、昔からそこにあった石垣のような見た目を再現しています。
景観に厳しい、京都や奈良では大いに活用されています。
下の写真は弊社が過去に施行した景観保全型間知ブロック積擁壁です。

地方山間部に多い井桁組擁壁
雨が多く、湧水の多い山間部で用いられる工法
コンクリートや木製の部材を、漢字の井のように組み,砕石などを入れ斜面に安定させます。
隙間が多いため排水性に優れ、景観や環境に配慮できます。

擁壁と言っても、色々な形、工法などがあります。
ここで書いたものが全てではありませんが、現場の状況やコスト、工期などを加味して設計されています。
崩落などあっては人命にかかわる事なので、しっかりとしたものを作っていきたいと思います。
今回は、このへんで締めさせていただきます。
write by N・D

