こんにちは。
埼玉県所沢市にある有限会社石州石工興業です。
昨年最後にアップした曲線部施工履歴のブログで、
間知ブロック積みの曲線の目地が何故広くなったり、狭くなったりしてるのかは……後日、わが社の[NO.1Blogger「N.D」]さんが解りやすく説明してくれるでしょう。
と、振られたのでがんばって説明していきます。
最初に曲線部でも折れ点でもない施工は、基礎延長=天端延長になります
平面図で書き正面から見ると
長方形になります。
今度は、この図面を上から見てみましょう
左側が基礎(下)で右に行くと天端(上)になります。
グレーはブロック積み、茶色の所は、地山や盛り土をした所です。
ちょっと分かりづらいかもしれませんが、フォーメーションが書いてあるならば、
基礎50.0 天端55.0
といった感じになります。
さて、これを踏まえて曲線の説明に入っていきます。
まず、上から見たブロック積みのない図を載せます
曲線部だけを抜粋すると扇型になります
曲線部は、R=50などと書かれていて
これは、基準のポイントから半径mの円弧の曲線ということになる為、扇形になります。
次に、ブロック積みを加えた図を見てみましょう
このようになります。
図を見てもらうとわかりますが、天端は中心に近づくため基礎の円弧長よりも短くなっています。
では、展開図(正面)にするとどうなるか
台形になります。
この台形にブロックを当てはめていくのですが、両端が斜めになっているので、段々になると思う方もいると思います。
ここにブロックを当てはめると天端の長さで基礎のブロックも書かれます。
するとブロックの端から角までブロックがない状態になってます。
これが折れ点だった場合は、
基礎の長さ×高さの長方形でブロック図を描いて、折れ点を出てしまう分はブロックを切断したり、現場打ちで作っていきます。
実際の施工済みブロックを見るとこうです。
赤と青の線はそれぞれ曲線です。
図面のV字から右が赤の曲線部、左が青の曲線部になります。
2つの曲線部の境目辺りはどうなってるか
真ん中の丁張が切り替え点です。
ちゃんとブロックが積まれています。
もう一度、図面を見てみましょう
破線が曲線部の切り替え点になります。
赤文字で書かれている299と209は天端長と基礎長の差です。
図面の通りに積むと、ブロックがないとこが出来てしまうので、下のブロックを広げます。
どうするかというと、299+209で508mmあります、根石(隅石含めて)30本あるので
均等割りしてあげると、16.9mmになります
根石の間を16.9mmあけながら並べていくのです。
2段目からは、ブロックを割付に合うようにあげ、なおかつブロックの谷が90°になるように積んでいきます。
そうするとオレンジのラインのように、目地が開いて上がっていくにつれて開きが小さくなっていきます。
これだけでは、曲線に積んでいくことはできません。
例えば、このような曲線でブロックを並べるとします。
AとBを結んだ緑の線を弦長、A・Bと中心を結んでいる紫の線を半径
AとBを結ぶ曲線を弧長と言います
まず、AB間を結ぶ緑線の真ん中から、緑線と直角になるように弧長に向かって線を引きます
AB間の弦長の真ん中から弧長の点Cを結んだ青い線を矢高と言います
次にAとCを弦長で結び中点から直角方向に、AC間の弧長に線を引きます
CD間も同じようにしていきます
まず、C点の矢高の長さが40、D点の矢高の長さが10、E点の矢高の長さは2.5になります
数字を見てもらうとわかりますが、1/4になっています
これを土方カーブと言います
この方法は、頻繁に使われています。
ちなみに、計算でも出すことができます。
今回この図は、半径が500、AB間の弦長が400です。
計算式は、C点の矢高=AB間の弦長の2乗÷(8×半径)
D点の矢高=C点の矢高/4
になります。
当てはめると、(400×400)÷(500×8)=160000÷4000=40
40÷4=10
となります
そして並べ終わった後は、目視にてちゃんと曲線になっているか確認して微調整を行います。
これは外カーブの曲線です。内カーブは、基礎長の方が短く天端長の方が長いので高さが上がるにつれて、目地が開いていきます。
どちらのカーブも、最終的には石屋さんの感覚で決まるんです
頑張って、説明してきましたが・・・わかりにくかったらごめんなさい
自分もブログ書きながら勉強させてもらってます
頭がパンクしそうなので今回はここまでということで。
write by N・D